転職をするのが初めての人の悩みで多いのが、職務経歴書をどうやって書けばよいのかです。
そこで、このページでは職務経歴書の作成の手順をまとめました。
キャリアの棚卸しをする
職務経歴書のサンプルをカスタマイズする前に終えておきたいのが、キャリアの棚卸しです。
「自分に合った構成にしよう」にもある通り、限られたスペースで採用担当者にアピールをしなければなりません。
従って、キャリアの棚卸しをして自分のどの経験が良いのか?を取捨選択できる状態にしておくことは大事なのです。
どうやってキャリアの棚卸しをするかですが、簡単です。
今までに携わってきた仕事について時系列で書き出していきましょう。
例としては、
200X年~200X年 株式会社A Web管理スタッフ
1.リスティング広告の運用管理
2.モバイル広告のメディアプランニング
3.自社ホームページの管理
200X年~20XX年 株式会社B SEMコンサルタント
1.リスティング広告のコンサルティング
2.その他Web広告の運用管理
ここで、1社目の職務経験を掘り下げてみます。
企画立案、効果検証、クライアントへのレポーティングなど一連の業務を担当
クライアント獲得は営業に同行と紹介。
クライアント数50社でアカウント数はヤフーリスティング広告が50、アドワーズが50の合計100アカウント。
予算は管理費込で合計6,000万円
営業代理店からの紹介で、他の広告代理店で運用を依頼しているが、
成果が思わしくないので代理店の変更を考えているクライアントに原因と今後の対策を含めた提案をする。
他の代理店よりも優れた提案だったので受注が決まる。
運用開始当月から前広告代理店の実績の倍の訪問数を記録し、
半年後には10倍にまで伸びた。営業代理店から他のクライアントの紹介も増えた。
訪問数を増やす方法を考える中で、
キーワード選定スキルやコピーライティングスキルも上がり、
紹介も増えたので満足している
以上のような形で、キャリアの棚卸しを行います。
自分に合う職務経歴書のスタイルを探す
職務経歴書のサンプルをダウンロードする前にしておきたいのが、自分に合う職務経歴書のスタイルを確認しておくことです。
なぜ職務経歴書のスタイルを確認しておかないといけないのかというと、アピールしきれない職務経歴書を作成してしまうのを防ぐためです。
例えば、新卒で入社して以来一社だけしか職務経験がない人と、複数の会社を渡り歩いている転職歴のある人では、職務経歴書の書き方が変わってきます。
転職歴のある人、特に転職歴の多い人は普通に職務経歴書を作成していると、職務経歴書の枚数が膨大になってしまいます。
応募者が多ければ多いほど、採用担当者の職務経歴書を見る時間は限られてくるので、まとめきれていない職務経歴書というのは致命的です。
では、どういった職務経歴書のスタイルがあるのでしょうか?
職務経歴書のスタイルは大きく分けて2つあります。編年体形式とキャリア形式です。
編年体形式は自分の職務経験を年代順に書くというもので、職務経験の浅い人や一社だけの人に向いている職務経歴書のスタイルです。
キャリア形式はこれまでの職務経験を分野別にまとめたり、プロジェクトごとにまとめるというもので、専門スキル・実績をアピールしたい人や転職歴の多い人に向いている職務経歴書のスタイルです。
以上の職務経歴書のスタイルを確認しておけば、職務経歴書のサンプルが探しやすくなります。
職務経歴書サンプルのダウンロード
キャリアの棚卸しをして自分に合う職務経歴書のスタイルを確認したら、職務経歴書のサンプルをダウンロードします。
職務経歴書のサンプルを提供しているサイトは数多くありますが、職務経歴書のサンプルが種類が豊富にあるサイトや特定の分野に特化した職務経歴書のサンプルがあるサイトを利用するのが効率的に探せます。
そこで3つのサイトを紹介します。
人材バンクネット
株式会社アイ・キューが運営する人材紹介のポータルサイトです。人材紹介会社を求人、キャリアコンサルタント、人材紹介会社名から検索できます。
また、豊富な転職事例や職務経歴書サンプルがあり、とても参考になります。サンプルは会員登録してワード形式でダウンロードしたほうがカスタマイズしやすいです。
マイナビ転職エージェントサーチ
マイナビ転職エージェントは株式会社マイナビが提供する人材紹介のプロのコンサルタントが求職者の転職を支援するサイトです。
職務経歴書のサンプルはマイナビ転職エージェントに無料登録するとお役立ち情報からダウンロードすることができます。
IT転職ナビ
IT転職ナビはワークポートが提供するIT系の求人・転職サイトで、エンジニアやクリエイターをはじめインターネット業界・ゲーム業界などに関連する職種を扱っています。
職務経歴書のサンプルはIT転職ナビのトップページ右側のメニューにあるお役立ちコンテンツの「職務経歴書ダウンロード」をクリックすると該当ページでダウンロードすることができます。
志望企業について調べる
職務経歴書サンプルをダウンロードしたら、志望企業について調べます。
すでにキャリアの棚卸しは済んでいますが、志望企業について調べておかないと職務経歴書は作成できないので、外せないステップです。
なぜ志望企業について調べる必要があるのかというと、キャリアの棚卸し(自己分析)だけで職務経歴書作成を進めていくと、自分からの一方的なアピールで終わってしまうからです。
つまり、自己満足や自慢になってしまうのです。
採用する企業は応募者の自己満足や自慢を聞きたいのではありません。
応募者のスキル・経験が自社の仕事に合っているかどうかを確かめたいのです。
一致していれば一致しているほど応募者のイメージがしやすくなり、書類選考だけでなく、その後の面接もスムーズに進みます。
内定をゲットするためにも、志望企業について調べて、キャリアの棚卸しで発見した自分のスキル・経験と一致する部分を抜き出して、職務経歴書を作成しましょう。
では、志望企業についてどうやって調べるのかというと、書籍、セミナー、人脈、企業ホームページ、口コミサイトなどあらゆる手を尽くして調べます。
特に、キャリコネやVorkersなどの口コミサイトは、企業の評判や年収、選考内容などを知ることができるので、活用しましょう。
職務経歴書の各項目のカスタマイズのポイント
職務経歴書の各項目は主に4つあります。
- 職務要約
- 職務内容
- 自己PR
- 志望動機
職務要約
職務要約とは何ぞや?と思う人もいるかもしれませんが、簡単に言うと、何の会社で何の職種で、どういう仕事・プロジェクトをしてきたのかを200~300字以内でまとめた文章になります。
ポイントとしては、具体性を持たせる記述をすることです。
数字を用いると内容に具体性が増します。
また、「××しました」よりも「△△して○○の成果がX倍に増えました」の方が、どういう行動をして、どういう結果が出たのかが分かるので具体的です。
当然ですが、嘘を書くのはいけません。
書類選考で何とかなっても、面接でボロが出ますよ。
職務内容
ポイントは、コンパクトに書くこと。
複数社経験している場合には、職務経歴書2枚でまとめようとするとスペースが限られてくるので、アピールするプロジェクトの数を調整したりします。
記載する内容はプロジェクト成功という結果だけではなくて、その過程が分かるように書くと採用担当者もイメージがしやすくなります。
自己PR
抽象的ではなく具体的なアピールが鍵です。
コミュニケーション能力は面接での会話で分かるので、スキルや能力がどのように活かせるのかを具体的だけど簡潔に記載しましょう。
志望動機
どの会社にも通用するような志望動機では志望度が疑われてしまいます。
結論、根拠、根拠の補足説明、志望企業でどう貢献できるのかを意識して志望動機をまとめましょう。
作成した職務経歴書を一晩寝かせる
みなさんは職務経歴書を作成したらその後はどうしているでしょうか?
すぐに転職サイトに登録をして応募をするでしょうか?
それとも一晩寝かしてから再度職務経歴書を見直して、修正した上で求人に応募をするでしょうか?
もし、職務経歴書サンプルを参考にして職務経歴書を作成したら、一晩寝かせてから見直した上で求人に応募しましょう。
よく、学校のレポートや仕事の提案書などはブラッシュアップをするために一晩寝かせます。
一晩寝かせると作成している時には気付かなかった誤字脱字や追加・修正が必要な事項に気づきます。
職務経歴書もレポートや提案書と同じで、時間を置くことによってさらに良い内容にすることができます。
スカウト機能で職務経歴書の仕上がりをチェックする
職務経歴書のサンプルを使って職務経歴書を完成させたら、次は求人応募ですが、求人応募の前に職務経歴書の仕上がりをチェックする方法があります。
それは、転職サイトのスカウト機能を利用して反応を確かめるというものです。
スカウト機能というのは、転職サイトに登録しておいた自分の職務経歴を転職サイトで求人募集している企業に公開することにより、企業の方から選考のオファーがもらえる可能性があるというサービスです。
つまり、公開してある職務経歴が企業にとって魅力的かどうかがスカウト機能を利用することによってわかるわけです。
職務経歴が魅力的であればいいのですが、魅力的でない場合はスカウト機能に登録してある職務経歴の構成を変えたり、内容を書き換えたりして改善を図っていきます。
ちなみにこのスカウト機能がある転職サイトは種類が複数あり、企業に直接応募できる転職サイトと転職エージェントを経由して応募する転職サイトがあります。
どちらのタイプの転職サイトを利用してもよいのですが、転職エージェントからスカウトのオファーが来る転職サイトの方が直接応募するわけではないので、完成度合を確認するのにピッタリです。
転職エージェントなど第三者に職務経歴書作成・改善のアドバイスをもらう
職務経歴書のサンプルをもとにオリジナルの職務経歴書を作成しようとしたけど、いまいちしっくりくる職務経歴書が出来なかったり、職務経歴書は完成したけど不安だという人は、第三者にアドバイスをもらいましょう。
第三者と言っても誰にアドバイスをもらうかですが、両親、友人、転職エージェントが選択肢として挙げられます。
まず両親ですが、どちらかというと父親の方になるでしょうか。厳密に言うと父親というよりは社会人の先輩という感覚でアドバイスをもらうのが良いでしょう。
次に友人ですが、同世代の社会人の視点でアドバイスをもらえます。
そして最後ですが、転職エージェントは身近な両親や友人と違った立場でアドバイスをしてくれます。
企業に人材紹介をして成り立っているので、書類選考という入口で落ちていたのでは商売になりません。
何とかして書類選考を突破させて、転職させるために尽力してくれます。そのために、転職支援サービスとして職務経歴書の添削をしてくれるところがほとんどです。